5月になると
薫るかおりで
思い出す

だいすきだった
あのひとが
だいすきだった

ばらの花

どのいろがすき?
このかたちいいね

そんな他愛もない
ささやくようなお話声

薫りといっしょに
きこえてくる

まだあなたはそこに
存在しているかのようで

でも
やはりそれは幻だった

なみだひとすじ

そんなとき
きこえる

「いるよ
からだは地に お返ししただけ

わたしの雫は 花に 空に

風に ・・・あなたの こころに

愛しています」

と。